『ELI/イーライ』レビュー

レビュー

2019年公開のホラー映画『ELI/イーライ』を鑑賞しました。
個人的にはホラー映画をたくさん観ている方にこそオススメしたい作品でした!
子ども視点で描かれる おぞましさ、必見です。

 痛い描写 動物たちの可哀想な描写
×

公式サイトのリンクはこちら
https://www.netflix.com/jp/title/80206910
Netflix独占配信、加入すれば見放題対象です(2025/12/22 現在)

<あらすじ>
11才の少年 イーライ は、物心ついたときから自己免疫疾患に苦しめられてきた。
太陽の下はおろか、空気に触れるだけで皮膚が焼けただれてしまうため、宇宙服での生活を余儀なくされている。
失敗続きの治療、生身の我が子を抱きしめられない歯がゆさから、イーライの両親がわらにもすがる思いで実験治療を依頼した隔離病棟には、あらゆる秘密が隠されていた。
(このあらすじは、独自解釈でまとめたものです)


<レビュー>
ここからは、映画『ELI/イーライ』の個人的にここが好き!と思ったところを順番に紹介していきます。
ネタバレなしなので、これから観る予定の方も安心してくださいね。

鬱(うつ)くしい世界観

ホラー映画の舞台でおなじみ隔離病棟
清潔感のある真っさらな空間、けれど窓ひとつ無く画面越しに観ていてもどこか息苦しい……。
隔離病棟と言うとまずそんなイメージが沸きませんか?
けれど『ELI/イーライ』は一味違います!

イーライのお父さんが運転する車で、長い長い畦道あぜみちを抜けた先に……とても美しい洋館が現れます。
その建物こそ本作の舞台、隔離病棟なのです。

周囲に広がる田園風景には常に霧が漂い、まるでサイレントヒル1のような薄気味悪さが広がります。
そこに悠然とそびえ立つ年期の入った洋館。本作の舞台は現代ですが、まるでゴシックホラーを彷彿とさせる世界観に、一気に惹き込まれます!

もちろん隔離病棟ですので、前述したような閉鎖空間もあります。最先端の医療技術を搭載した処置室と、古式ゆかしき洋館のギャップが、さらに『ELI/イーライ』独自の映像美を引き立ててくれるのです。

(画像はイメージです)

  1. サイレントヒル:霧深い町が舞台の人気ホラーゲーム。実写映画化もされている。 ↩︎

疑心暗鬼の100分間

個人的に単発映画のボリュームは80分(1時間20分)がベストかな?と思っています。
何故なら起承転結がサクッとまとまっていて、中だるみも無いから。

その点で言うと『ELI/イーライ』は20分オーバーです。
しかしながら本作は、100分間の長尺をも凌駕りょうがし、観客を釘付けにする魅力がありました。

ハッキリ言ってしまうと、ホラー映画に出てくる病院の医師せんせいは怪しいです。まず疑ってかかりますよね。特に本作は逃げ場のない隔離病棟。院長がイーライ一家いっかに自己紹介をした時、私は真っ先に彼女を敵認定しました。
彼女は怪しい。さて、どのタイミングでボロを出すのか見物みものだな……。なんて高を括っていると、物語が進むうちに、
「あれ? あれ?」どんどん翻弄されていきます。

本作の主人公はイーライですが、作中の視点は色んな人物に切り替わります。
イーライのお母さん、お父さん、院長、そして意味深なフェードアウト……。
いま一瞬だけ映ったあれは何? 何故そんなことを言うの?
登場人物のちょっとした仕草、作中のカメラワークに謎は深まるばかり。

自分の中である程度、推理を固めた先から覆る。
どれが伏線なのか、一瞬たりとも目が離せません。100分なんてあっという間でした。
本作はホラー映画のカテゴリーですが、ミステリーとしてもオススメです。

大人5人 VS 11才の少年、大奮闘!

大人5人と書きましたが、病院のスタッフを含めたらもっといるかもしれません。
そして大奮闘と書きましたが、病弱なイーライが肉体面で大人に敵うはずがありません。

イーライに残された武器はただ一つ。
説得です。

もう、これが本当に厳しい!
難病の治療実績がある院長の言葉は、ひとつひとつに重みがあります。
ですからイーライが体験した恐怖や、必死になって集めた証拠も、翌朝には水の泡……なんて事も。

そして、隔離病棟ホラー映画の常套句
『治療の副作用』

これがズルい!
主人公の実体験がすべて意識の混濁・勘違いとして片付けられてしまうので。
医療の第一人者にそう言われたら、両親も信じるほかありません。
イーライに向けられる眼差しは、信頼< 同情。
闘病生活は辛いだろうけど、あと少し我慢してね。と、我が子をいさめる両親の言葉に偽りはありませんが、視聴者はイーライと一緒になって「違うんだよー!」と叫びたくなります。

大人たちに言いくるめられる日々。それでも僅かな手がかりを頼りに真相を突き止めるイーライの機転に脱帽。そして言葉巧みな院長を出し抜き、いかにして真相を暴露するのか。
11才の少年の大奮闘をご覧あれ。

二転、三転、四転!?

ここが一番のオススメポイントです!

よく「予測不能のラスト5分」なんて見出しがありますが、本作はまさしく予測不能。
冒頭でホラー映画をたくさん観ている方にこそオススメしたい作品と紹介しましたが、その理由が二転、三転、そして四転と、転げ回るストーリー展開なのです。

私がホラー映画を好きになった理由のひとつに、ミステリー要素があります。
後から見返して、ここも伏線だったのか!と気付いたり、予想が当たっていた時の爽快感であったり。
恐怖を煽る映像の中に見事溶け込んだ伏線に「してやられた!」となるのが好きなのです。

『ELI/イーライ』 してやられました。

中盤あたりで、私は前述した予想が当たっていた時の爽快感に浸っていました。
ホラー映画を何本も観ていると、こういう謎解きも気付いちゃうもんね。なんて鼻を長くしていたら、目玉が飛び出ました。

初見で気付ける人っているのかな。
むしろホラー映画をたくさん観ている方こそ、固定観念にとらわれて気付けないのかも……。

なんて呆気にとられながらも、こういう予想外の展開が大好きな私は、エンドロールの間ずっとニコニコしていました。

おわりに

以上、『ELI/イーライ』の感想をネタバレ無しで語ってみました。
100分はちょっと長いかも、と感じる方にもオススメしたいです。
私はこのレビューを書くためにインターネットで調べた際、ようやく本作が100分間だったと知りました。
それぐらい夢中になれる映画です。

現在配信されているのはNetflixのみですが、

  • 視聴できる環境(Netflix加入済)の方
  • ジャンプ・スケア(びっくり要素)が平気な方
  • 子どもが主人公のホラー映画が大丈夫な方

以上の条件に当てはまる方には是非とも観て頂きたい一本でした!

コメント

タイトルとURLをコピーしました